目次へ  縦書き

文語詩50/6

上流

秋立つけふをくちなはの、 沼面はるかに泳ぎ居て、
 
水ぎぼうしはむらさきの、 花穂ひとしくつらねけり。
 
 
いくさの噂しげければ、  蘆刈びともいまさらに、
 
暗き岩頚 風の雲、    天のけはひをうかゞひぬ。


(定稿推敲前)

上流

秋立つけふをくちなはの、 沼面はるかに泳ぎ居て、

水ぎぼうしはむらさきの、 花穂ひとしくつらねけり。


蘆刈びとはいまさらに、  赤くたゞれし眼あげて、

暗き岩頚 風の雲、    天のけはひをうかゞひぬ。


(下書稿推敲後)

秋立つひるをくちなはの
沼面はるかに泳ぎ居て
水ぎぼうしはむらさきの
花穂ひとしくつらねけり

蘆刈るひとはいまさらに
赤くたゞれし眼あげて
暗き岩頚風の雲
天のけはひをうかゞひぬ


(下書稿推敲前)

秋立つらしをくちなはの
冽き沼面に泳ぎして
水ぎぼうしはむらさきの
花と穂ひとしくつらねけり

赤くたゞれし眼あげて
蘆刈るひとはいまさらに
暗き岩頚風の雲
天のけはひをうかゞひぬ


(先駆形口語詩)

一〇八〇
     〔さはやかに刈られる蘆や〕
                    一九二七、七、七、

さはやかに刈られる蘆や
水ぎぼうしの紫の花

赤くただれた眼をあげて
風を見つめるその刈り手