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文語詩50/43

村道

朝日かがやく水仙を、    になひてくるは詮之助、

あたまひかりて過ぎ行くは、 枝を杖つく村老ヤコブ。


影と並木のだんだらを、   犬レオナルド足織れば、

売り酒飲みて熊之進、    赤眼に店をばあくるなり。



(下書稿2推敲後)

村道

朝日かがやく水仙を
になひてくるは詮之助

あたまひかりて過ぎ行くは
枝を杖つく村老ヤコブ

影と並木のだんだらを
犬レオナルドの足織れば

売り酒のみて熊之進
赤眼に店をあるくなり



(下書稿2推敲前)

朝日かがやく水仙を
になひてくるは詮之助

あたまひかりて過ぎ行くは
枝を杖つく村老ヤコブ

影と並木のだんだらを
犬め黄いろにひたはしる

売り酒のみて眼を赤く
寅はしとみをあぐるなり



(下書稿1推敲後)

雪と牛酪の水仙を
かつぎて来るは詮之助

あたまひかりて過ぎ行くは
枝を杖つく村老ヤコブ

並木と影のだんだらを
犬め黄いろのむく走る

販り酒をのみて眼を赤く
寅はしとみをあぐるなり



(下書稿1推敲前)

白と黄いろの水仙を
かつぎて来るは詮之助

あたまひかりて過ぎ行くは
枝を杖つく村老ヤコブ

並木と影の格子行く
犬め黄いろのむく犬め

売りなん酒をひと夜さに
呑みて赤眼のしとみをあぐる



(先駆形口語詩「市場帰り」)

一〇四三

市場帰り

一九二七、四、二一、

雪と牛酪バター
かついで来るのは詮之助
  やあお早う
あたまひかって過ぎるのは
枝を杖つく村老ヤコブ
  お天気ですな まっ青ですな
並木の影を
犬が黄いろに走って行く
  お早よう
朝日のなかから
かばんをさげたこどもらが
みんな叫んで飛び出してくる