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文語詩50/39

麻打

揚葉の銀とみどりと、  はるけきは青らむけぶり。


よるべなき水素の川に、 ほとほとと麻苧うつ妻。



(下書稿3推敲後)

しろきそら光りてぬるみ
なまり川水ます岸に
村人ら岸に石積む

揚葉の銀とみどりと
はるけきは青らむけぶり
さらさらと水はながれつ

紺きやはん高橋技手は
みなかみの河原にむれて
水あぶる鳥を見たり

黒雲の日をうちよぎり
ほのかにも倦みてうたひつ
石積むや○川の岸



(下書稿3推敲前)

そらしろく水かさまして
村人ら岸に石積む

揚葉の銀とみどりと
はるけきは青らむけぶり

みなかみに鳥つどひて
あやしくも水あぶるさま

ほのかにも倦みてうたひつ
白雲に人は石積む



(下書稿2推敲後)

護岸工事

柳葉の銀とみどりと
はるけきは青らむけぶり

よるべなき水素の川に
ほとほとと麻苧うつ妻

みなかみは死火山の藍
船橋の黒きが下に

水あぶる鳥の群や
ほのかにも倦みてうたひつ
ひとびとの岸に石つむ



(下書稿2推敲前)

石積みて亜鉛線編み
石積みて亜鉛線編む

そらしろくながあめのさま
せきれいのわざにもしるし

柳葉の銀とみどりと
はるけきは青らむけぶり

そらしろくかさます川の
水あぶる鳥の群や

ほのかにも倦みてうたひつ
ひとびとの岸に石つむ



(下書稿1推敲後)

この川の水かさまして
柳葉も銀をなせるに
人人は岸に石積み
はりがねの籠を編みたり

そらしろくながあめのさま
せきれいのわざにもしるく
舟わたす針金の索
いくそたび水面を拍てり

みなかみは黒き船橋
雲かづく死火山の藍
きみが辺を来るこの川の
水まして水は濁らね

木立やゝ青らむなべに
水浴ぶる鳥の群や
ほのかにも倦みてうたひつ
人人はなほ石積めり



(下書稿1推敲前)

この川の水かさまして
人人は岸に石積む

そらしろくつゆこんけはひ
せきれいのわざにもしるく
舟わたす針金の索
ひたひたと水面を拍てり

みなかみは黒き船橋
雲かづく死火山の藍
きみが辺を来るこの川の
水まして水は濁らね

柳やゝ青らむなべに
人人はなほ石積めり



(先駆形短歌「歌稿B 153,154,205」)

153  対岸に
   人、石をつむ
   人、石を
   積めどさびしき
   水銀の川

 

     ※

 

154  すべり行く
   水銀の川
   そらしろく
   つゆ来んけはひ鳥にもしるし

     ※

 

205  よるべなき
   酸素の波の岸に居て
   機械のごとく麻をうつひと。